ただぼんやりと空を見つめる三枝くんの瞳。
影が揺らぐたび、綺麗な瞳も合わせて揺らいだ。
三枝くんは今何を思っているのか。
その全てが表れているようで、私はつい目線をそらす。
私にはまだ、大きすぎる。
「そんなの聞いてみればいいじゃん」
「…は?」
当然、とでも言うように逢坂くんは放つ。
「嫌だから冷たくした、なんてありえないだろ。どうしてほしいのか、ちゃんと直接向き合えば?」
「っ……それが出来たら、苦労しないよ」
「なんで?」
「今さらなんだ、って思われるかもしれないし、本当のことを言って嫌われたくないから」
うつむきながらに話す三枝くんに、逢坂くんは深いため息を吐き出す。