「次で最後にするか」


つぶやくように言ったのは逢坂くん。


無理やりに誘ってしまったけれど、私たちのためにと精一杯楽しませようとしてくれたり、なんだかんだで本人も楽しんでくれているようだから良かった。


「何にする?」


「遊園地のシメっていたらやっぱあれだろ!」


三枝くんが指差したのは、この遊園地最大の名物でもある大きな観覧車。


一つ一つのゴンドラはカラフルな色合いで、遠くからでもかなり目立つ。


その中でも一番人気なのは、ハート型のゴンドラ。


このゴンドラに乗ると、永遠に一緒にいられるというジンクスがあるのだ。


だからこの遊園地を訪れたカップルは皆、ほぼ観覧車目的だと言っても過言ではない。