昼食を終えた私たちは、鈴村さんと別れて適当にぶらぶらと歩いていた。
どこへ行こうか、と考える逢坂くんに答えるものは誰もいない。
私は悩み、三枝くんは不機嫌に。
せっかく楽しかった雰囲気が、一気にぶち壊されたよう。
だけどそんな私たちを必死に盛り上げようとしてくれるのは、後から誘った逢坂くんただ1人。
「もっと楽しもうよ! 遊園地なんてなかなかそう簡単に来れるところじゃねーし、そもそも誘ってくれたのは2人だろ?」
「………」
「紘もほら、なんでそんなに落ち込んでるんだよ」
私の胸ポケットにいる三枝くんに、彼は一生懸命説得する。
「別に、落ち込んでなんか…」
「嘘つけ。俺が何年お前の友だちやってると思ってんだよ」
正直に言ってみろ、と真剣でどこか優しい眼差しを三枝くんに向けた。