その時、突然ガタンという音が耳に入り、私たちは恐る恐る振り返る。
するとそこにいたのはやはり、きれいな長い黒髪を持つ白服の女性。
何をしてくるんだろうと体を強張らせながら待っていれば、その女性は突然叫んだ。
「お前も呪ってやる!」
「おわあああああっ……!!」
逢坂くんが、恐怖のあまり大声を出し、とっさに私の手を掴んで走り出した。
ビビリで怖がりだったのはかなり意外だけれど、それでも私の手を離さないでいてくれることに、なんだか少しだけ胸が暖かかった。
「お疲れ様でした。無事に生還することができ、おめでとうございます」
お化け屋敷から脱出すると、入り口のところにいた女性とまた似たような服装の男性がいた。
営業スマイルとも取れる笑顔で、私たちに言葉をかける。