「トシを考えなさい。夜々ちゃんは絶対可愛いから咲桜に賛成なんだけど、俺は明らか色々問題あるだろう」


「そうですか? 五十で初婚とか、ザラじゃないですか」


「俺は一応再婚扱いになるんだよ。何が嫌って……」


「なんですか?」
 

在義、また落ち込んだ。


「………龍生に笑われる」


「……格好ですか? 笑いそうですね」
 

花婿衣装?


「と言うか、龍さんなら笑い飛ばして済ませるでしょう」
 

笑う、ではなく、笑い飛ばしてくれる。


「そうだろうけどね。そっちはどう考えてるんだ? 父的には絶対娘の式には出たいよ」


「俺らの結婚の前にご自分の結婚と出産をぶち込んでおいて何言うんですか。順番的に、子どもも生まれるそちらがお先でしょう」


「……俺たちのあとに式を挙げると?」


「そうですね……咲桜の花嫁姿は絶対見たいです。日義を無理にでも帰国させて写真撮りまくってもらいます」


「同感だ。アルバム十冊くらい作ろう」
 

ガシッと手を握り合う婿とその義理の父となる人だった。