箏子には、まず睨まれた。


何故か道場に通されて、正座して相対した。


これからシバキ倒されるのだろうか。


「……夜々子と在義の件は聞いています。反対などは致しません。子もいるようですし。して、咲桜とあなたはなんでしょう?」
 

流夜は背筋をのばす。


「咲桜さんとの結婚を、認めていただきたく参上いたしました」


「わかりました。認めましょう」


「………え?」


「なんです? 反対でもされたかったんですか?」


「いえ……拍子抜けしてしまったと言いますか……。俺は以前、貴女を嵌めたようなもので
「嵌められてなどおりません。あれはわたくしがノッてあげただけです」
 

流夜、キリッと睨まれた。


ああ……自尊心のお高い方なのだな。


そういう体(てい)で自身がよろしいのなら、まあわざわざ気を悪くさせることもないだろう。


流夜も別にそんなところ、気にしないし。


在義と夜々子が結婚すれば、咲桜にとっては祖母になる人だ。