「……反対、する理由がないね」


「そうね。咲桜ちゃんも、神宮さんがいたから、仕事のことも真剣になったのでしょう? わたしとしても、流夜さんがいい影響を与えてくれていると思うわ」
 

在義に、夜々子が継いだ。


それを聞いた流夜は、改めて思った。


夜々子があっさり認めてくれた……この二年の咲桜の頑張りの結果だと。


「夜々ちゃんと結婚してもすぐに咲桜が嫁に行ってしまうのは淋しいけど、二人にはそれがいいんだろう。

けど、今までのことこれからのこと、普通よりはかかる問題は大きいだろう。それを覚悟出来るのかい?」


「はい」


「勿論です」
 

同じ肯きに、在義は軽く息を吐いた。


「流夜くん、咲桜のこと、よろしく頼む。咲桜も、流夜くんの妻は大変だよ? だから、がんばりなさい」


「「――はい」」
 

一緒にいるためのがんばりなら、いくらだって。