在義に促されて、咲桜は顔を引き締めた。
とてとてと流夜の隣に戻る。
……よかった。戻って来た。
妹が出来る、夜々子が母になるという咲桜の夢過ぎる現実が見せられて、華取のままでいる! 結婚やめる! とか言い出されないか不安になっていた流夜だ。
「咲桜、いいか?」
「はい」
しっかり肯く返事があって、二人は在義に向き直る。
「二年も離れていたこと、お詫びします。離れてみて思い知らされました。俺には咲桜しかいません。咲桜さんと、結婚させてください」
「私も、流夜くんとずっと一緒にいたいです。流夜くんと結婚したいって、思います。お願いします」
流夜は、自分からお願いするものだから、と言ったのだけど、咲桜は自分から華取の家を出るのだから自分からも言うと引かなかった。
頑固咲桜は徹頭徹尾なので、流夜が折れたのだった。
在義は軽く息を吐く。そして苦笑した。