「いいの⁉ 私流夜くんと一緒にいられるだけで最上級幸せなのに、夜々さんがお母さんになって妹まで出来ていいの⁉ 私死ぬの⁉」
 

幸せ過ぎて疑う方向がおかしい。


焦がれた咲桜の恋人になっても、こういうとき頭を抱えたくなる。


咲桜の女好きも変わっていない……。


嫁の妹に、嫁を奪られるんじゃないか不安になる。


まだこっちは結婚の約束だけだけど。

 
そんな騒ぎにも慣れた夜々子は、咲桜の頭を撫でた。


さすが在義に長年片想いしていただけはある。


「わたし、ちゃんと咲桜ちゃんのお母さんになりたいわ。いいかしら」


「勿論です! むしろ反対する奴ぶっ飛ばします!」
 

相変わらずだった。


そして夜々子に抱き付いたまま、ばっと父を見る。


「父さんありがとう!」


「咲桜はほんとに夜々ちゃんすきだよねえ」
 

呆れが混じった反応だった。


咲桜が俄然受け入れ態勢過ぎて拍子抜け、みたいな。


「それで、二人からの話は?」