「綺麗な歌声。君の歌?」


笑顔で聞いてきた君は巻いているマフラーを私にかけてきた。


「.....私の、歌。」



人見知りで人とうまく打ち解けられない私は戸惑った。



「名前はなんて言うの?」



「野上唯。き、君は.....」


勇気をだした。直感でこの人なら大丈夫かもしれないと思った。



「かわいい名前だね!僕は奈央!枢木奈央だ!」



笑顔で言う君に安堵したことを覚えてる。はじめての出会いにドキドキしたのも。


はじめて芽生えた恋心も。