うん、星渚さんは持ち前の性格でクラスはおろか学年の実権を握っていたに違いない。



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それから私の高校の話に変わり話題は尽きず暫く談笑していたけどそろそろ私は帰らなければいけない時間になり、片付けは星渚さんがやってくれるとありがたいお言葉を頂いたので、自分の荷物を纏めた。


「明日歌ちゃん、じゃーね」


「はい。練習頑張ってください」


「てめえみたいな色気ない女を襲う変質者はいねえから、安心しとけ」


「素直に帰り道気をつけろよ、って言えばいいじゃないですかこのチャラ男」


危うく怒りで玄関のドアを蹴り飛ばすところだったが、理性で踏みとどまる。


セーフ!落ち着け自分。


星渚さんと皐月は既にくるっと体の向きを変えリビングに戻っていったのに、碧音君はまだこの場に残っていた。