「大丈夫、じゃないかな」
ハンドルをギュ、強く握り指の関節が浮き出る。
「だ、大丈夫って?」
「難しい問題だからね。何が正解とかないから、俺らも対処の仕方があってたのかどうか不安になる。全力を尽くしたつもりでも」
「正しいかどうかは別にして、刹那君には伝わったと思うよ。藍達が本気で心配してくれてるって」
midnightの皆は仲間思いだね。誰かのために本気で悩めるってそうそうない。
「明日のライブは無理そう?」
「碧音次第。俺らから絶対出ろとは言えないよ」
ああ、心配だ。私も明日のライブは楽しみだけど、そうは言ってられない。
藍の話だと刹那君には高瀬君と紀藤君が一緒にいるらしいから、何があっても対応出来るようだ。
このこと知ったら、明日歌ちゃん心配するだろうな。刹那君のこと気になってるみたいだし。
……明日は、どうなってしまうんだろう。
藍もこう考えてるな、と浅く溜め息を吐く横顔を見て思った。