チラリ、窓の外を見るとライブ帰りと思われる人達がゾロゾロと列をなして駅へ向かっている。


中にはバンドマンもいて、おお、あの人は!と、ちょっぴりテンションが上がった。


明日こそは4人揃ったmidnightのライブ、観られるよね。


窓の外から携帯に目を落とす。と皐月のライブが終わったあとメールしたけど、いまだに返事が返ってこない。


今までならライブが始まる前や終わったあとに応援メッセージや感想を送ると、素っ気ないけどちゃんと返事をしてくれていたのに。


けど藍が何も言わず、普段の態度を貫こうとしているってことは。


「明日歌ちゃん、道はこのまままっすぐ?」


「うん。そうすれば家に着く」


ビルが多かった風景も住宅街へ変わってきた。見慣れた道を車で進んでいき、自分の家の前で停めてもらう。


「藍、送ってくれてありがとう」


「いいえ」


「波江さんも、一緒にライブ観られて良かったです!明日もお会い出来ればと思います」


「私の方こそ、ありがとう。勿論明日も行くよ」