藍が言うと、頑なに閉じていた目をゆっくりと開けてくれた。その様子を見て、ホッと息をつく。


良かった、やっと落ち着いてきたみたいだ。


「碧音、立てるか?」


狭くて暗いここから早く出させた方がいい。碧音の背に回していた腕を解き、立てるように手を貸す。


つってもライブハウスには行けないから、藍か星渚の車に移動だな。


碧音は足に力を入れ立ち上がった――けど、ふらりと体が傾いて危うく倒れそうになってしまった。


地面スレスレで慌てて支える。まだ動ける状態じゃないようだ。


「藍、碧音任せるわ。俺じゃ身長変わんなくて連れてくの難しい」


「そうだね。碧音、こっちおいで」


碧音から離れ、藍に交替してもらう。


「刹那は俺の車に乗せようか。皐月も一緒。藍は波江さんと明日歌ちゃんを家に送ってあげて」


「2人がライブハウスから出てくる前に俺らは帰ろうぜ。そうしねえと面倒なことになる」