「俺達midnightを越えられないのは、真似ばっかしてるから。所詮真似は真似」
「なっ、何だと!」
「midnightに執着し過ぎて忘れてんじゃないの。自分のバンドの色」
「っ……」
「君ら、見失ってるよ。BLACKってどんなバンド?特徴は、個性は?」
「そ、れは……」
「自分達の個性を出しきれてないから魅力が最大限に発揮されない。本当に歌いたい曲を歌ってない、だから一歩足りなくてmidnightを越せないんだよ」
バッサリと言いきる星渚。同情なんかしてねえ。勿論、俺も藍も。
「お、俺達は」
「BLACKを代用品だと思ってない人もいる。純粋なファンもいる。周りをもっと見てみな」
ゆっくりと男の胸ぐらを掴んでいた両手を下におろす。