「それなのに……!BLACKよりmidnightがいいと口にする。野外ライブの時もそうだった、midnightが俺達より順位が上!」


数字で表されたら認めざるを得なくなる。


でも逆に、疑いようのない数字で結果を示してくれるから自分に自信が持てるんだろ。


こいつらの場合、それが自信じゃなくて負の感情なのだ。


「ライブを観に来てくれるレコード会社や音楽関係の人間に売り込んでも、midnightにもうオファーした、midnightの返事待ち、どいつもこいつも同じ台詞を言う!仕舞いには彼らに断られたら、俺達のことを考えてやってもいい、代わりとしてはいいかもしれないと」


男がドン!小屋の壁に拳をぶつける。


知らなかった、そういうことを言われていたなんて。



だってさ、それじゃまるで。


「……代用品なんだよ、俺達は。midnightの代用品なんだ!」