「……お前ら、midnightのせいだ。全部全部全部、ぜんぶっお前らのせいだ!!」


憎悪を剥き出しにする。


「ライブに出るといつもいつもmidnightと比べられ、その度midnightの方が上だと言われる!」


男が大声で吐き出したせいで、案の定碧音の震えが大きくなってしまった。


碧音、と呼びかけ背中に回した腕に力を込める。


男の言うことについては俺達も自覚してる。観客からもバンド仲間からも比較されることは多い。


「上手いのはBLACKだと証明するために必死で練習した、ライブの前はどんだけ睡眠時間削ってでもな!」


声を荒げて訴えてくる。星渚は何も言わず、男の話を聞いていた。


「midnightの技術だってコピーした、完璧に!!文句のつけようがないくらい」


あの気味の悪い笑い方すらしない程余裕がないようだ。


棘々しい言葉を止めどなく溢れさせている。