「あちゃー、負けました」


「変態アウト!」


最後の最後でポトリ、火の玉が地面に落ちてしまった。悔しい。


「決勝は藍と碧音君だね。頑張れ!」


さあ、どっちだ。固唾を飲んで見守る。


火の玉を落とさないように体勢を保ったままだと腕がプルプルして疲れてしまうけど、2人は全然動かない。


飛び散る火花の勢いが収まってきているということは、終わりが近い。引き分けか……。


「……!」


「あっ、碧音君の落ちた」


「うおっしゃああ碧音負けたぜ!」


「勝ったのは俺かぁ」


後少しというところで碧音君の火の玉が落下、よって勝者は藍。


それをひたすら喜んでる皐月の鳩尾に、碧音君の拳が1発ヒット。


皐月の体がくの字に曲がる。