「星渚、私の大きくない?」


「ほんとだ。でも大きいと落ちやすいから気をつけて」


星渚さんと菜流は会話しながら和やかに線香花火を楽しんでいる。


一応勝敗を決めるゲームだってことお忘れでしょうか。私と菜流、碧音君の線香花火がパチパチし出した。


ジリジリジリ、小さな燃える音が聞こえる。そろそろ落ちちゃうかも、と様子を窺っていたら。


「っぁあ!!くっそー」


「はい皐月の負け残念でした~」


「まじかよ!俺が?この俺が?」


「負けはさ、つ、き」


星渚さんが容赦なく皐月に敗北を告げた。


「皐月動くな花火が揺れる」


皐月の隣で線香花火をやっている碧音君が、サッと距離をとる。


「俺はものっすごくお前が次に負ければいいと思う」


「残念、勝者は俺。皐月に命令するのも俺」


「皆何が何でも生き残れ。碧音を勝者にするな」