呼ばれて焚き火の方を見ると皐月が大きく手を振っていた。たそがれてねえよ。
「今からラストの線香花火やるからこっち来いよ!」
「明日歌も刹那もおいで!」
「のんびりしてないで、チャッチャと動きな~」
「足元気をつけて転ばないようにな」
線香花火の前に俺と明日歌はまだ手持ち花火を持っている。それをやってしまわないと。
「碧音君、行こう!」
「うん」
明日歌がスクッと立ち早足で土手を下りていく。明ら様に動揺してんな。躓いて転びそうになってるし。
藍に気をつけろって今言われたっつーのに。明日歌の後ろ姿に目をやりつつ、俺も柔らかい草を踏み皆のところへ向かう。
さっきのアレの時に感じた、胸の奥の奥の感情が突き動かされるようなものは何だ。
普段と違ったあいつの雰囲気にドキリとしたからでは、ないと思う。
誰か知らない?答えが返ってこないと分かってて星に問いかけたのだった。