皐月は気にした様子もなく焚き火に筒形の花火を入れて、新しい花火を物色中。やはり年上は違う。


私だけが恥ずかしがってて、何だか悔しいので平気ですよという顔で振る舞う。


私も皆が花火を選んでる中に交じり、好みのやつを手に入れた。


「この花火綺麗なんだよね」


焚き火の火をつけようと体の向きを変えたら、土手に座り空を仰ぐ碧音君が視界の端に映る。


花火を手に持ったまま、気になって土手を上り碧音君の隣に座らせてもらった。


「綺麗だよね、今日の星空」


「ああ」


墨を垂らしたような真っ黒な空とは言い難い、紺色や藍色の空に点々と存在する無数の星。


「碧音君!あの星めっちゃ光ってるよ……てか動いてない?」


「飛行機の光だよお前の目は飾りか」