鼓膜がキーンとなる大きな音がして上を見上げると、パラパラ輝く花火が夜空に消えた。間隔を空けずにまたドン!ドン!花火が上がる。


「皐月、それ何連発?」


「10連発!」


じ、10連発?!今3発上がったから残り7連発。


「さすがは皐月が選んだだけのことはあるよね」


「危険を省みないあたりが。ほんとに私達より年上なの?」


菜流が半分呆れた視線を皐月に滑らせた。


「次いきまーす!見てろよお前ら!」


「皐月~もっとやっちゃえ」


「一気に3つ点火したら迫力増すからやってみ」


マイペース2人組が皐月を煽ったぁああ!!この人達はスリルを求めるよね。皐月は待ってましたと言わんばかりに打ち上げ花火を何個も上げる。


「わーっ、眩しい。けど綺麗」


菜流が目を細めつつ、シャー!という音と共に溢れ出す火花を眺める。私達のいるところだけ、夜じゃないみたいに明るい。


「皐月、まだまだ打ち上げ花火あるよー」


「任せとけ!」