「ゔぅっ…、ぐすっ…」
「もしもし!理香ぁぁぁぁ!!」
「ゔん、振られちゃった…」
「ダメ元だったしっ、後輩っにしか見れないって、言われてっ…ぐすっ」
忘れもしない、高校1年生の12月27日。
入学して出来た好きな人に振られた日。
部活の先輩で、先輩が引退してから仲良くなって。
受験勉強もあるのに、毎日毎日、私からのメールに付き合ってくれてた、優しい先輩。
ちょっと無愛想だけど、優しくて考え方がかっこいい人だから、早くしないと彼女出来ちゃうって告白して、振られて…。
私、本当に何してんだろうって自分のことが嫌になった。
その時は、
告白しなかったらもっと話せたのに。
もっと近い存在になれたかもしれないのに。
そんな考えが頭を占領して、告白したことに後悔しかしてなかった。
でも、この日があったから、私の人生は大きく変わった。
最悪な日だった12月27日が最高な日に変わるまでの私の人生、ちょっと覗いてみませんか??
「あ、理香!おはよ!」
「ん!愛、おはよー!!」
今日から3学期の1月7日。
私、宮本愛は、失恋からたったの11日で学校に来ております。
まあ自業自得だけどさ?
正直きついよね、今日の朝も先輩のこと見かけちゃったし。
「愛〜!よしよし!よく頑張ったね!!えらいえらい!!」
おはようの挨拶から速攻で抱きついてきた、親友の田口理香。
あの日も、結果がどうであれ電話してきてね!約束!!って笑顔で言ってくれて。
本当に優しくてかわいい、いい子なんです。
…たまーに毒舌なんだけどね?
「ていうか愛!?ちょっと痩せた?いやちょっとじゃない!だいぶ痩せた!?大丈夫なの??」
あら、気づかれちゃった。
実は私、あの日から3kgは痩せました。
なんか食べる気しなくってね?
まぁ元が太いからね、大したことないさ!
「んもー愛!心配だよ〜!でもでも、ダイエットしてるわけじゃないんだよね!?」
「うん、全然(笑)」
本当に心配してくれてるんだなってわかる理香の顔。
私、いい友達持ったなぁ〜。
「じゃあ、帰りにドーナツ食べに行こ!ね?」
「お、いいね!行こ!!」
「じゃあ決まり!楽しみだね〜!」
ってことで時は進み放課後。
「んー!ドーナツおいしい!!」
「愛、チョコの1口ちょーだい!!」
「いいよ!はい、あーん(笑)」
あぁ、楽しい…(笑)
もう私、一生彼氏なんていらないや。
理香と一緒に生きていこう、うん←
「ちょ、愛!なんて怖いこと言ってるの!?」
あ、声に出てたみたい。やべ。
「私はさっさと彼氏作るからね?愛も新しく好きな人作りなよ?」
「え〜、理香ぁ〜!!」
ひどい、理香たんひどい
「でもさでもさ、理香?私本気でね、高校時代に1人も彼氏出来なかったらさ、孤独死すると思うんだ…。少子高齢化は、進む一方です…。」
「ちょ、だから真顔でそんな怖いこと言わないでって!」
理香は本気で怯えている様子。
でもこの持論は本気なんだな〜これが。
「あ、ていうか全然違う話していい?」
「え、愛ちゃんマイペースすぎでしょ。」
理香が呆れてるけど気にしなーい気にしなーい。
「あのねー、演劇部の副顧問いるでしょ?佐藤先生。」
「あー、あのイケメンもどきの人?」
イケメンもどきって!(笑)
理香の言葉選びのセンスはさすがだよ、拍手送りたいね、パチパチ
「え、なんで愛は笑ってんの、きもい。」
おっつ、急に冷たいじゃん、理香ちゃんよ。
「まあまあそれは置いといて。でね、佐藤先生が今日で学校辞めちゃうんだって!」
「まじ?いよいよこの学校にブサイクしかいなくなるのね…。」
「おい、サラッとひどい。」
「てゆーか無責任じゃね?なんで3学期の初日で学校辞めるの。まじ無責任ヒーロー。」
おいおい理香ちゃん、好きなアイドルさんがバレちゃうぞ〜!!
「まあ、理由はわかんないんだけどね〜?」
「ふーん。んで、それがどうしたの?」
よくぞ聞いてくれた理香ちゃんよ!!
理香ちゃん天使!!
「んふふ〜、あのね〜?」
「待って、本気できもいむり。」
前言撤回、理香ちゃん悪魔。
毒舌理香ちゃん。