「もしもし!お忙しいのにごめんなさい!」
「いきなり電話したいとか言って、ほんとに申し訳ないです…。」
「あ、今日何してたんですか?ふーん勉強…。」
「えっと、ごめんなさい、用件ですよね…。」
「あの、先輩!…私、ずっと先輩のことが好きなんです!!」
「出来れば付き合って欲しくて!」
「後輩にしか見れない…?」
「そう、ですよね。いきなりごめんなさい…。」
「はい、いきなり電話してごめんなさい。失礼します…。」
「ゔぅっ…、ぐすっ…」
「もしもし!理香ぁぁぁぁ!!」
「ゔん、振られちゃった…」
「ダメ元だったしっ、後輩っにしか見れないって、言われてっ…ぐすっ」
忘れもしない、高校1年生の12月27日。
入学して出来た好きな人に振られた日。
部活の先輩で、先輩が引退してから仲良くなって。
受験勉強もあるのに、毎日毎日、私からのメールに付き合ってくれてた、優しい先輩。
ちょっと無愛想だけど、優しくて考え方がかっこいい人だから、早くしないと彼女出来ちゃうって告白して、振られて…。
私、本当に何してんだろうって自分のことが嫌になった。
その時は、
告白しなかったらもっと話せたのに。
もっと近い存在になれたかもしれないのに。
そんな考えが頭を占領して、告白したことに後悔しかしてなかった。
でも、この日があったから、私の人生は大きく変わった。
最悪な日だった12月27日が最高な日に変わるまでの私の人生、ちょっと覗いてみませんか??
「あ、理香!おはよ!」
「ん!愛、おはよー!!」
今日から3学期の1月7日。
私、宮本愛は、失恋からたったの11日で学校に来ております。
まあ自業自得だけどさ?
正直きついよね、今日の朝も先輩のこと見かけちゃったし。
「愛〜!よしよし!よく頑張ったね!!えらいえらい!!」
おはようの挨拶から速攻で抱きついてきた、親友の田口理香。
あの日も、結果がどうであれ電話してきてね!約束!!って笑顔で言ってくれて。
本当に優しくてかわいい、いい子なんです。
…たまーに毒舌なんだけどね?
「ていうか愛!?ちょっと痩せた?いやちょっとじゃない!だいぶ痩せた!?大丈夫なの??」
あら、気づかれちゃった。
実は私、あの日から3kgは痩せました。
なんか食べる気しなくってね?
まぁ元が太いからね、大したことないさ!
「んもー愛!心配だよ〜!でもでも、ダイエットしてるわけじゃないんだよね!?」
「うん、全然(笑)」
本当に心配してくれてるんだなってわかる理香の顔。
私、いい友達持ったなぁ〜。
「じゃあ、帰りにドーナツ食べに行こ!ね?」
「お、いいね!行こ!!」
「じゃあ決まり!楽しみだね〜!」
ってことで時は進み放課後。
「んー!ドーナツおいしい!!」
「愛、チョコの1口ちょーだい!!」
「いいよ!はい、あーん(笑)」
あぁ、楽しい…(笑)
もう私、一生彼氏なんていらないや。
理香と一緒に生きていこう、うん←
「ちょ、愛!なんて怖いこと言ってるの!?」
あ、声に出てたみたい。やべ。
「私はさっさと彼氏作るからね?愛も新しく好きな人作りなよ?」
「え〜、理香ぁ〜!!」
ひどい、理香たんひどい
「でもさでもさ、理香?私本気でね、高校時代に1人も彼氏出来なかったらさ、孤独死すると思うんだ…。少子高齢化は、進む一方です…。」
「ちょ、だから真顔でそんな怖いこと言わないでって!」
理香は本気で怯えている様子。
でもこの持論は本気なんだな〜これが。