私を見て固まる紫苑の目を直視出来ない。


『元姫だったから噂では知ってたでしょ?
それなのに、隠してるのも変だと思ってッ!!』


言葉とは裏腹に手は震えてる。
信じるって決めたのに…かっこ悪い……。


フッ…


部屋の明かりに影が差す。


『あ…えっと……。』


離れてた距離がいつの間にか縮まり、
目の前に紫苑が立っていた。

綺麗な紫の瞳と視線が交わった。