紫苑side


まさか、元姫の事を話すとは思わなかった。

信歩にとって辛い事で、
言った時点でこうなる事と分かっていた。


「これは、マズいですね。」


『でも、私…ここで言わなかったら後悔する!
隠しても良い事なんて無かった。

皆の仲間には本当の私を知って欲しいの。』


迷いがない瞳に俺らは瞬時に理解する。

前の信歩なら『信じてくれない』と諦めていた。