私が初めて『朱雀』に会ったのは、
しつこいナンパに絡まれてる時だった。


「おい、その女を離せ。」


それは、同時に棗との出会いでもあった。


『朱雀』は人気があって、
女子なら誰もが「姫になりたい」と言っていたから
私も少しだけなら知っていた。


『た、助けてくれてありがとうございます!』


最初は怖かったけど、
皆の…棗の優しさに惹かれていった。


「信歩、姫になってくれないか。」


『…え?』


棗を好きだと実感してのその言葉に
私は凄く嬉しかったのを覚えてる。