---次の日---

「凛どうしたの?パーティに出ろとか言われた?」
「違うし...。菜穂(なほ)聞いてよー...。」
いつもと変わらないクールな雰囲気を出しているこの子は結月菜穂(ゆづき なほ)。
黒色のさらさらなストレートの髪。鋭い瞳。
抜群のスタイル。
菜穂はその見た目とクールな性格から花蓮学園の子達からモテモテ。
何回か私も言われたことがある。
「菜穂様に近づかないで!」って。

私は菜穂に全てを話した。
親が外国に行くこと。執事について。
「ふーん。そゆことか。いいんじゃない?執事と2人っきりなんて唯が好きそうなシチュじゃん。」

確かに...。じゃない!
確かに私の好きなシチュだけど相手が問題。
お父さんが言ってた天野玲くんって多分、城山高校の人だよね。

城山高校は超有名な進学校でイケメンの男子が多い。
だから花蓮学園の子達は城山高校の子達と付きあうために頑張っている。
『玲くんってかっこいいよねぇ。』ってクラスの子達が話していた気がする。
頭もとっても良くて運動神経も抜群。誰に対しても優しくて王子様みたいなんだって。
でも私は少し苦手。
そりゃ王子様みたいな子と付き合ってみたいけどさ。
何もかも完璧な人と一緒にいるのって疲れちゃうもん。
だから私は天野君とはあまり関わりたくない。

「そうなんだけどさ、天野玲君っていうの。執事さんの名前。」
「...は?天野玲って城山高校の子だよね。」
やっぱりあの子だよねー...。
「まぁ会ってみないと分かんないし。とりあえず早く家に帰ってみなよ。」
「...そうする。」