「甘っ…」
一口飲んだココアの甘さに、思わず顔が歪む。
「あ、ごめんね。それ、ココアだったのかも」
ココアを飲む俺の前でベッドに横になりながら雑誌から目を移さずに言う彼女。
“かも“ではなく、俺の飲むこの飲み物は紛れもなくココア。
きっとその言葉は、謝罪という感情はこもっていないのだろう。
「態となんでしょ、紗綾(さや)」
「バレた?」
やっとこちらかを見たかと思えば、紗綾は満面なそして、得意気に微笑んだ。
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