涙で視界がぼやける。

でも…でも!でも!!

走るしかなかった。

ふと目を上げるとボワッとした光が見えた。

『Kだ!』

何故か私は確信していた。

「K!K!」

呼び掛けても呼び掛けても、ボワッと した光がただ揺れるだけ。

それでも、そこにたどり着けば、たどり着きさえすれば私は助かる。

そう思えた。