……なぜ人間は、遅刻が決定してしまうともういっか、という気持ちになってしまうのだろうか。







ため息をつくあたしの横を、ランドセルを背負った元気な小学生が追い越した。






****


「あ、紫苑やっと来た!」


あたしが学校に着いたとき、ちょうど始業式が終わって生徒が教室に戻っているときだった。


ざわざわと賑やかな廊下を歩く生徒の中へ、自然に紛れ込む。