「それ制服?」 「そ。じゃあ午前中には帰ってくるから」 夏休みぼけしているからか、寝坊してしまった。 遅刻ギリギリの時間だから、ナツの言葉に適当に返しながら家を出る。 「紫苑」 「え、なに?」 やばい、あと10分で電車でちゃう。 ダッシュすれば間に合うかな。 こんな時間に起きたあたしの自業自得とはいえ、のんびりと話しかけるナツにちょっと苛立つ。