まるで、隠れるところが全然なくて鬼をずっと待たせてるかくれんぼみたいに、あたしとナツは扉を挟んで同じ会話を繰り返していた。 「んーまあ、こんなもんかな」 鏡の中に映る、年に1回ほどしかみれない自分の浴衣姿に60点をつける。 無難な点数だ。 でもあたしにしては頑張ったから合格点にしておこう。 「ごめんねナツ、お待たせ。どう?」 「………ん、いいんじゃない」