自分でも半ば呆れながらも、これから始まる新しい生活に胸を弾ませる。


こんなに明るい気持ちになれたのは、いつぶりだろうか。





あの日から止まったままの時間が動き出す。


謎の少年、ナツと一緒に。







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「ここがうちだよ」


「………でけぇな」




ナツがうちに住むと決めてから、善は急げということなのかさっそく家に戻った。



家は、案の定真っ暗。




お父さんは、この家を嫌う。

多分、お母さんとの思い出がつまった家だから。