すると、ずっと黙って聞いていたナツがすっとその場にしゃがみ込み、あたしの頭を軽くなでた。 無言だったけど、その手がすごく暖かくて。 ふわっと笑うナツの笑顔が心から愛しいと思ってしまって、あたしはまた、泣いてしまった。 **** ナツの手の暖かさに浸っていると、すでに6時半を過ぎていた。 あたりは夜の準備が整い始めていて、公園の近くの道を歩く人もすっかり減った。 「紫苑、もう帰ったほうがいいんじゃね」