*

当日は一日中晴れ模様だった

『19時に杉原公園に集合』


私は白のワンピースを着て、15分も前に集合場所に着いてしまった

部活が終わってから来ると言っていた高山君はもちろんまだ来ていなかった

これからお祭りに向かう人達が私の前を通り過ぎていく

その中には同じ高校の制服を着た人達もいた



「ごめんっ、待たせちゃって…」


やってきたのは制服姿の高山君だった


「大丈夫だよ、私早く着いちゃって…」

良かったと高山君は笑っていた

制服には少し汗が滲んでいた

きっと部活が終わって急いで来てくれたんだろう



「ねぇ、俺汗臭くない?」

高山君は自分の制服の臭いを嗅いでいた

「ううん、全然大丈夫だよ」

汗と制汗剤の匂いが多少したものの気になるほどではなかった

私が大丈夫と言っても高山君はまだ自分の臭いを気にしているようだった