「は?」

おいおい?まって、なに言ってんの?この両親は。馬鹿なの?

「だーかーらー!私達少しの間旅行に行くからっ!」

あぁ、間違った。この両親馬鹿なんだ。
娘を置いて旅行?本気なの?

両親はキャリーバッグを持って外に出ようとする。

「待って待って!」

母はウンザリした顔でこちらを振り向く
こっちがそんな顔したいよ!

「こ、これから、私の世話はどうするの!?私まだ中学生だよ!?」

そう、私はまだ花も恥じらう中学生なのだ。
そんなに、親が娘に相談もせず旅行に行こうとするだろうか?いや、しない。

「あ、となりの蒼野さんに世話任せてあるよ」
と、お父さんが言う。

蒼野さん。
蒼野聡さん、30歳になるのだけど全然歳をめしてる感じもしなくて、結婚もしていなくて、ホモなんじゃないかと噂されている男性。今も会うと優しく接してくれて・・・かっこいい・・・人。

私の、好きな人・・・。

ん・・・?待って?その人にお世話してもらう?

「蒼野さんは、パパの部屋に来てもらって帰ってくるまで一緒に住んでてね?」
と、お母さんが言う

はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???
いやいやいや!?可笑しいから!?
お父さん良く反対しなかったね!?

「お父さんはいいの?ここに住ませて」

「もちろん、聡くんなら安心できるし!」
完全に安心しきってたーーーーーー!!!!
いや、まぁそりゃそうよね。
30にもなる人が中学生なんて相手にしないよね・・・。

自分で言ってて悲しくなってきた・・・。

「じゃあママ達は行ってくるからねー?」

そう言い残して2人は旅行へと旅立った