世界を覆したあの魔法は確実に紗久の何が犠牲となって成立したものだった。





その何かとはおそらく魂。







「紗久は強すぎた」






悠がポツリと呟く。






そう、紗久は強すぎたのだ。






誰もが逃げ出す場面で逃げず。



誰もが助けを求める場面で助けを求めず。






ただ、ひたすら闘う強い気持ちと、それを成立させてしまう強さを持ってしまっていた。







それが紗久の唯一無二の強さとして自分を滅ぼす弱点。