「大丈夫?紗久」
心配そうに悠がそう言い、虚ろな私の瞳を見つめる。
玲桜をもまた同じように。
あまりにも大きな魔力を使いすぎた。
いくら私の魔力が膨大とはいえ、こんな世界を全て覆すような魔法、私の魔力だけでは足りなかった。
楓おばあちゃんは私がこうするってわかっていたのかな。
「だ、いじょうぶ。ちょっと眠らせて」
まだ悟られてはいけない。
もう力の入らない手に力を込めて悠の手を握りしめる。
彼らにも優しくて、暖かくて、幸せな世界を。
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