玖音先輩は大切な先輩だ。




でも。




それでも玖音先輩は俺の敵だから。







「風よ、我の手に他の者を貫く剣を与えよ」






パァァァァァッ





俺の詠唱により、薄緑の光を帯びて現れた剣を固く握りしめる。







目指すは弾丸処理に追われている玖音先輩の背後。






「風よ、我を望む場所へ運べ」






シュンッ




すぐさま魔法で玖音先輩の背後に移動し、剣を振り下ろす。






が。






「待ってたぜ、大和」





ドォォォォォォンッ





俺は不敵に笑う玖音先輩の拳に吹っ飛ばされていた。