吹っ飛ばされながらもすぐに体勢を整え、次の一手に出る。
「風よ、他の者を貫く弾丸の雨となれ」
パァァァァァッ
俺の詠唱と共に薄緑の光が玖音先輩の頭上に現れる。
そして......
ザァァァァァンッ
それは無数の弾丸に変わり、玖音先輩に降り注がれた。
「クッソがっ」
数弾は不意をついて当たったものの、そこはさすが玖音先輩。
表情を歪めながらも急所に当たらないように全弾を避けている。
力では敵わない。
ならば考え続けて、攻撃の手を休めなければいい。
何より俺はこの人をよく知っている。
それだけで十分、こちらにも勝機がある。