「かはっ」 勢いよく飛ばされた俺の体が地面に思いっきり叩きつけれる。 この人は変わらない。 いつだって優しすぎる。 「瑞希...、ごめんね」 1人、倒れる俺のそばに来て、悲しそうな表情を浮かべる真理絵。 何故、今確実に殺れるチャンスだったのに殺らなかったのか。 甘い、甘すぎる。 「火よ、他の者を貫け」 誰にも聞こえないような小さな声で。 俺はそれを唱えた。