side紗久






「光よ、風を起こせ」





ある日の昼下がり。



様々な生徒達が昼を思い思いに過ごす中庭のベンチに座って、小さく詠唱を唱える。



が、もちろんそれは形にはならない。




ま、そもそも形になることなんて1ミリも期待してないんだけど。








「.........」







『好きだよ』






甘く優しい悠の声がここ数日、頭から離れない。