「てかさ、何で怜桜や悠まで私を大切にしてくれるの?」 突然。 本当に突然、練習を止めて、不思議そうにこちらを見つめる紗久に一瞬、言葉を詰まらせた。 その表情は当たり前だったことに疑問を持ち、思いついたように言葉にした子どものよう。 「フッ」 そんな紗久に次に取った行動はいつものように笑うこと。 普段ならここで適当に誤魔化すのに。