先ほどまで怜桜と悠と戦っていたのに。 あそこからあの一瞬でここまで来たの? しかも対戦相手の私のために? 「あーあ。全て作戦通りだったのに。なんてことしてくれるんですか玖音先輩」 私の前に立つお兄ちゃんに対して呆れてように笑う大和先輩。 「水よ、他の者のチョーカーを破壊せよ」 シュンッ パリンッ その一瞬の隙をつくように唱えられた悠の詠唱により、大和先輩のチョーカーも音を立てて壊れた。