そんな状況にある怜桜は今、一つの魔法にすら全力を出せない。 だから俺がやるしかないんだけど。 「風よ、他の者の動きを制御する壁となれ」 ブワッ 真剣な表情の大和が詠唱を唱える。 「......っ」 大和の詠唱通り現れたのは激しい緑の光を帯びた風。 その風に動きを制限されるように囲まれ、表情を歪める。