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「それで…黒川くん…何でいるんですか?」
お昼休み、いつもの特等席のベンチで弁当を開く隣にはニコニコしてこちらを見つめる黒川くんの姿があった。
「姫野さんと友達になったから」
「…友達」
とてつもなく変な感じだ。
女友達を作るのをすっ飛ばして、校内トップのヤンキーを友達にするなんて。
「黒川くん、いつも一緒にいる人たちは…」
「あぁ…いいよ。あいつらは。姫野さんと一緒にいたいし」
──────ドキッ
いちいちキュンとさせる人だ。
特に、普段は無愛想だと有名な黒川くんに『姫野さん』とさん付けで優しく呼ばれるたんびにドキドキしてしまう。