私は着物の右側の裾をめくってみた。
めくれた私の腕にはすごい傷跡。


純はその傷を見て小さな舌で舐めた。




「この傷はね…自分で刀を刺したの。記憶はないんだけどね…なにか、とても辛くて辛くて…なにか刺したの」




『黙っていろ。お前は俺の命令に従え』




苦しい…。
何も覚えていないのに…
なんで苦しくて辛くて


死にたくなるんだろう…。





私は誰…。





「ちょーい、桜女。あ、いたいた」





突然、襖を開けて入ってくる沖田さん。
私は咄嗟に腕を隠した。




「な、なんでしょう…?」




「いや?用もなしに来ちゃ駄目ですかい?」