なぜだかスクランブルエッグは飽きない。
  だから好きなのかな。
  なんて考えて学校のことはあまり頭に入れないよう   自分なりに努力はしてた。
  
 「ごちそうさま。」
  私は食器を手早く荒い棚に片付けた。

  嫌な時間はすぐにやってくる。
  何をしてても結局時間の流れに逆らうことなんて
  私達にはできるわけがない。
 「あぁ、もう行く時間か。」
  重たくなる足を動かし指定かばんとスクバを持った。
  そして姿見の前で髪型と服装のチェック。
  いつもこうして家を出る。
 「いってきまーす。」
  だれからも(行ってらっしゃい)の声なんてかけら   れないけど習慣づいていた。
  自転車の鍵を取り家を出た。