特にすることもないし、今いる所が夢の中ならば目覚めたくない。そんな思いで座り込むこと数十分。


急に目の前が光り出す。


「…だッ……れ」


眩しい…そんな中その光の中から綺麗な女性が現れた。
そして夕桜は思ったその女性は何処と無く夕桜に似ていたのだ…


長く艶のある黒髪に白い肌、ピンクい頬にピンクの唇…

夕桜と違ってタレ目で優しい雰囲気な女性。でもどことなく……あぁ、そうか、瞳の色が似ていた…


黒く、なんでも見透かしていそうで…どこまでも暗い瞳…。



「私は…桜夜……あなたは、夕桜でしょう?」

桜夜(さくや)…それが彼女の名前らしい。
歳で言ったら20代前半くらい、だろうか…



「桜夜さん、ですか…私は夕桜です。なぜ私の名前を?」


「それは…私が…………いや、何でもないわ。そのうち分かることよ」



「…そうですか。あの、ここはどこですか」



「ここは、貴方の意識の中…あなたにお願いがあるの……」




「嫌です、嫌な予感がするので」


夕桜がそう言うと桜夜はそう言うと思ったと言わんばかりに苦笑いをして、そのまま話し出す



「まだ、詳しくは言えないの…でも、お願い…みんなを助けて………ぁ、もう時間が……また、また会えるからっ…死なないで!!」



「はっ?みんなって…まっ………」


パチンとシャボン玉のように一瞬で消えるさっきの人。
みんなを助けて…?何のことだろうか。


それにまた会える?…わからない、頭は冷静である…だが、ただたんに今の私には正確に判断する事はどうやら出来ないみたいだ




「────…!!」


「なに……ッ!?」


突如声が聞こえ振り返る…すると同時に目の前が真っ暗になり…そして意識が途絶えた